2026年1月14日水曜日

29. 使徒


なぜモーセは、離縁状を渡して離縁するように命じたのか、というファリサイ派の問いに、イエスは、「あなたがたの心がかたくななので、モーセは妻を離縁することを許したのであって、初めからそうだったわけではない」(マタイ19:8)と答えた。

離縁がモーセの裁量の結果であったということは、結婚が人間の作った社会制度であり、そこにはすでに困難を抱えた男と女の関係が内包されていたということを物語っている。イエスは、神の創造の業をダイレクトに受け取る新しい男と女のために、新しい役割を持って遣わされて来た。

イエスは弟子たちに、「天の国のために自ら進んで宦官となった者もいる。これを受け入れることのできる人は受け入れなさい」マタイ19:12(日本の聖書はここで「宦官」と訳していない)と勧めた。使徒言行録にも登場するように、当時、有利な地位に就くために自ら進んで命がけで去勢し、王や後宮に仕える宦官と呼ばれる男性たちがいた。

しかしこの時、「天の国」を知っていたのはイエスだけであったから、「天の国のために自ら進んで宦官となった者」とはイエスご自身を指していた。イエスは、彼の弟子たちに、師に倣って、去勢なしの宦官になることを求めたのである。

弟子の中でも男性である使徒たちにとって、去勢をしてまで官職に就こうとする者のたとえは、身に迫るものがあったにちがいない。彼らが天の国のために師に倣うことを受け入れたことが、最期の夕食の席で、イエスが御父に「彼らはあなたの言葉を守っています」(ヨハネ17:6)と報告したことから分かる。

イエスは、世に残る彼らのために、御父とご自分が一つであるように、聖霊と彼らが一つになることを御父に願った。復活後、イエスが罪を赦す権能を授けた使徒たちは、降臨した聖霊によってキリストの聖体を生み出す役割を担う。

み言葉であるイエスは、神の母性を持つ男性として世に生まれた。なぜなら、御父が父である神であるのに対して、「万物は言によって成った」(ヨハネ1:3)と書かれている通り、み言葉は母である神だからである。

聖霊はイエスの代理者として神の母性を持って降臨する。肉体を持たない聖霊が、神の母性を持つ男性であるイエスについて証しするために、イエスは、ご自身と同じ男性の弟子を選んで使徒と名付けた。初めからイエスと一緒にいた彼らも、聖霊の助け手として証しするからである。イエスは、新しい男に神の母性を持つ聖霊の助け手という新しい役割を与えたのだ。

Maria K. M. 

(参考:ブログ「イエス・キリストの世界観とヨハネの黙示」https://spiritosantowjjp.blogspot.com/

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